「お腹周りや腰周りの、無駄なお肉が気になる」
「食事には気を使ってるはずなのに、痩せない」
ダイエットのために、食事管理に気を使っているものの、なかなか成果が見えない。
そういう方のために、今回は三大栄養素のなかの「タンパク質」について解説していきます。
最近になって、健康や体型維持に関して「タンパク質」が果たす役割の重要性が再認識されています。
タンパク質は筋肉の成長、修復、その他の重要な体の機能に不可欠な栄養素です。
さらに、タンパク質を適切に摂取することで、消費カロリーを増やすことが明らかになっています。
食事誘発性熱産生(DIT)
いきなり聞き慣れない単語ですみません。
簡単にいうと、食事誘発性熱産生(DIT)とは、食事の消化に使われるエネルギーのことです。
タンパク質は、このDITの値がいちばん高い栄養素なのです。
これも噛み砕いていうと、食事中のタンパク質比率が高いと、食事によって消費するエネルギー量が多くなるということです。
食事を摂ると、体は吸収、代謝、栄養素の蓄積など、一連の消化活動を行いエネルギーを使います。
この過程で体温がわずかに上昇して、追加のカロリーが消費されます。
食事をした後、身体が暖かくなるのはこのDITによるものです。
食事中のタンパク質比率が多いと、この追加のカロリー消費が増えるのです。
栄養素ごとのDITの違い
タンパク質:DITが最も高い栄養素です。タンパク質の消化と代謝は他の栄養素よりも多くのエネルギーを必要とし、そのため、摂取カロリーの約20-30%を消費します。
炭水化物:炭水化物のDITは中程度で、摂取カロリーの約5-10%を消費します。
脂質:脂質のDITは最も低く、摂取カロリーの約0-3%しか消費しません。
DITの影響
DITは「基礎代謝率」と「運動によるエネルギー消費」と並ぶ、日々のエネルギー消費の重要な要素です。
ダイエットを考える際、基本は「摂取カロリー」と「消費カロリー」のバランスが大事になってきます。
DITは、その「消費カロリー」の一角を占めていて、体重管理には欠かせない要素になります。
特に、高タンパク質食はDITを高め、脂肪の蓄積を抑制する可能性があります。
タンパク質を摂取するメリット
栄養素としてのタンパク質そのものにも、メリットはたくさんあります。
筋肉の修復:特に運動をする人にとっては、筋肉の回復と成長のため欠かせません。
満腹感の増加:つい食べすぎちゃう、ということへの対策になります。
骨の健康:タンパク質は骨の健康にも重要です。骨の密度と強度を維持します。
免疫系:免疫系の機能にも必要な栄養素です。抗体や他の免疫関連分子の構成要素として働きます。
髪と爪:髪の毛と爪の主成分です。美容目的としても、タンパク質は重要です。
タンパク質の1日の摂取量の目安
適切なタンパク質の摂取量は、日頃の運動量で変わってきます。
ご自身の運動習慣、体重を当てはめて計算してみてください。
・普段からあまり運動をしない人は1kgあたり0.8g
体重60kgの人なら、48gが摂取量の目安になります。
・軽い運動をする人は1kgあたり0.8~1.1g
・キツめの筋トレをしている人は1kgあたり1.2~1.7g
タンパク質を多く含む食品
動物性食品と豆類に多く含まれています。
各食品中のタンパク質含有量だと、こんな感じです。
肉類:鶏むね肉100g ・・・23g
魚介類:鯵(アジ)100g・・・17g
卵類:卵1個・・・6g
大豆製品:納豆1パック・・・7g
乳製品:牛乳200ml・・・7g
ダイエットは習慣にすることが大事
料理が好きな人や、健康管理が得意な人は、以上に挙げた情報だけでも、自分の生活に取り入れることができるかもしれません。
でも、多くの人にとっては、それができないからこその悩みですよね。
ダイエットはやめてしまうと、元の生活に戻ってしまうので、できれば習慣にしたいものです。
習慣というのは「毎日頑張らなくてもできる」状態です。
プロテインを活用する
高タンパク質食を習慣にする、いちばんの方法は「プロテイン」を活用することです。
毎日毎食、なんとなく好きなものを食べていると、炭水化物にかたよった食事になりがちです。
特に、パンや麺類だけで済ませてしまうと、タンパク質は少なくなりがちです。
毎食「タンパク質を多く含む食品」をしっかり食べるのは、難しいと思います。
そこで、例えば以下のような食事をイメージしてはいかがでしょうか。
朝食:パン
昼食:パスタ
夕食:肉系の主菜、野菜系のおかず、ご飯
⇨こういった場合「朝食と昼食は、動物性食品を摂取してないから、プロテインをプラスする」みたいな考え方で活用すると、タンパク質摂取比率が上がります。プロテイン分の追加摂取カロリーが気になる時は、夕食のご飯を半分にする、みたいな工夫もいいですね。
プロテインについては、原材料が違うものが何種類かありますが、だいたいお店に並んでいるのは以下2種類が多いです。
ホエイプロテイン:牛乳から作られ、消化吸収が速いことが特徴。
ソイプロテイン:大豆から作られ、ベジタリアンや乳製品アレルギーのある人に適しています。
これは好みによって選ばれると良いと思います。
どちらも同じタンパク質ですので、細かく悩む必要はありません。
「あと味」とか「食後感」とかの感覚で選んでみてください。
まとめ
ダイエットの基本は「摂取カロリー」と「消費カロリー」のバランスです。
その中の「消費カロリー」は、把握しにくいところです。
体内のタンパク質比率を高めに保つことは、この「消費カロリー」に対するアプローチとして有効です。
それがどれだけ有効かは、その人の体質や年齢などによって様々ですが、全く影響がないということはありません。
ダイエットは習慣にしていくことが大事です。
習慣というのは「毎日頑張らなくてもできる」状態です。
簡単にできることは簡単にしていく、くらいの考え方がちょうどいいですね。